踊らにゃ損々

みなさま、ごきげんよう。

みなさまは、下のような言葉を聞いたことがあるでしょうか。


「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損々」


これは、徳島の阿波踊り歌の出だしのフレーズです。
阿波踊りとは、三味線 、太鼓、鉦鼓(しょうこ)、篠笛(ささぶえ)などの2拍子の伴奏にのって連(れん)と呼ばれる踊り手の集団が踊り歩く。
えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々…と唄われる「よしこの節」で知られています。

歌詞の意味はそのままですが、 踊っている人を阿呆だと思って見ているが、それを見ている人も阿呆。
同じ阿呆なのだから、踊った方が楽しいよ、という意味です。

そこから、他人の言動を馬鹿にしたり嘲笑ったりする人生より、己の信念や志を実行に移せる人生の方が楽しいから、まずはやってみなさい、といった意味として、現在でも、阿波踊り以外の場所でも、この言葉を耳にする機会が多くあります。


この言葉を知った当時高校一年生だった私は、大変感銘を受けました。

当時の私は、人気の歌手や芸能人に夢中になり、流行をいち早く取り入れる友人達を、大変冷ややかな目で見ていました。
また、大人数でいつも賑やかにしている同級生に対しては苦手意識が強く、羨ましい反面、絶対に相容れないぞと固く決意していました。

騒がしいのは嫌い。学校行事に熱くなるのはかっこ悪い。文化祭やクラスマッチは、常に興味のない素振り。修学旅行の計画や化学の授業での実験も「私は何をすれば良いかしら」との受け身の姿勢。
必死になるほどやりたいものはないけれど、とりあえず、与えられた仕事は無難にやり遂げる。

完全に若気の至りですが、出来ないのではなく、やらないのだ。との思いで毎日を過ごしていました。

そんな日々の中で知ったこの言葉。私は考えました。今、人生を損しているのか、どうか。


それから先は、少しは前向きに物事に取り組むようになった気がします。
今でも、どうしようか躊躇した時、この言葉を思い出して、勇気を貰います。

なにせ、私は出来ないのではなくやらないだけですから、やろうと思えば出来るのです。笑